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2009年12月 8日 (火)

ニュース:トムラウシ山遭難:原因はガイドのミス

トムラウシ山遭難の原因はガイドのミスという判断が、日本山岳ガイド協会の事故調査特別委員会から出た。

トムラウシ山遭難:8人死亡はガイドのミス原因 協会調査(毎日jp)

 北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)で7月、登山ツアー客ら8人が遭難死した事故で、日本山岳ガイド協会(東京都)の事故調査特別委員会(座長=節田重節・元山と渓谷社編集本部長)は7日、中間報告書を公表した。ツアーを引率した男性ガイド3人の判断ミスや力量不足が遭難の原因と指摘。ツアーを企画した旅行会社「アミューズトラベル」(東京都千代田区)の危機管理体制の甘さを厳しく批判した。

 報告書はA4判75ページ。パーティーが登山途中の岩場や北沼周辺で計約3時間にわたって強風雨にさらされたことでほぼ全員が低体温症になったと分析。岩場に入る前に避難小屋へ撤退するか、強風雨が収まるのを待つかの判断が必要だったと指摘した。

 最初に女性客1人が動けなくなった際、リーダーの男性ガイド(当時61歳、死亡)が後方に残ったことは「パーティーの責任者が残るのは登山の常識では考えられない」と強調。その後、トムラウシ山の登山経験がある男性ガイド(32)がビバークして残り、初体験で低体温症にかかっていた男性ガイド(39)が一部のツアー客を引率して下山した判断も誤りとした。「パーティーを分散させないのもセオリーの一つ」「(ガイドの)判断の迷いや遅れによって対応が後手後手に回り、パーティー全体をどんどんピンチに追い込んだ」と指摘した。

一方、アミューズトラベルについては「社内に山の危機管理の専門家が少なく、年3回の研修会でも低体温症を取り上げていなかった」とした。予備日のないツアーの企画や、天候悪化に伴うリスク回避の判断基準が社内にない点などを挙げ、「リスクマネジメント体制ができていなかった」と批判した。

 同協会は事故の再発防止へ向けて、9月に有識者6人による事故調査委員会を設置。現地調査のほか、生還したツアー客とガイドから聞き取り調査を実施した。来年1月にも報告書をまとめる方針。

 北海道警はアミューズトラベル社を家宅捜索し、業務上過失致死容疑で捜査している。【和田浩幸、木村光則】

大雪山系遭難:中間報告 パーティー行動概要/要因と考察(要旨)(毎日jp)

◆要因と考察(要旨)

 ■現場の判断や対応にミスはなかったか

 【第1のポイント】

 *ガイド・スタッフ(スタッフ)はどういう天候判断でヒサゴ沼避難小屋を出発したのか。

 *参加者の体調や体力、精神状態を斟酌(しんしゃく)したか。ツアー登山では、参加者個人の意見は言わないのが暗黙のルールというが、悪条件下ならばこそ、気配りがあっても良かったのではないか。

 *稜線(りょうせん)のヒサゴ沼分岐に出てみてどう感じたのか。ガイドB(32)は、天人峡へエスケープする心積もりもあったというが、なんの判断も下していない。ヒサゴ沼と稜線では、風雨の厳しさが大分違ったはずである。まずはここで最初に、危険を予知すべきではなかったか。

 【第2のポイント】

 *ロックガーデンを登り始める前に、強風雨が収まるのを待つという判断はできなかったのか。大岩の陰やハイマツの中で仮ビバークするという方法もあったのではないか。

 *この辺りまで進むのに、標準のコースタイムの2倍近い時間がかかっている。パーティーは、とてもまともに進んでいるとは言えないような状況だったと思うが、この日は長丁場だけに、どういう時間の見込みで歩いていたのか。

 *ロックガーデンの登りで、低体温症の前兆がすでに表れている参加者がいたと推定し得るが、なんの対応もとられていない。参加者のコンディションをチェックし、防寒対策やエネルギー(行動食など)と水分補給をこまめにアドバイスした形跡がない。

 *北沼渡渉点でなぜあれだけ長時間、パーティーを停滞させたのか。特に渡り終えた先行者を、吹きさらしの中でなんの指示もなく待たせている。この停滞時間が、パーティーの運命を決定付けたといっても過言ではなかろう。

 *渡渉終了後、1人の行動不能者のためにスタッフ3人が集まって世話をしている。その間、次の行動の指示はなく寒さと不安感が募って一部参加者の不満が高じている。

 【第3のポイント】

 *渡渉終了点で女性客J(68)が行動不能に陥り、リーダーA(61)が付き添ってビバーク(第1ビバーク地点)するが、その判断と環境は適切だったのか。パーティーの責任者であるリーダーが後方に残るということは、登山の常識では考えられないことである。

 *その後、本隊も二つに分かれるが、その判断は妥当なものだったか。パーティーをできるだけ分散させないのも、山登りのセオリーの一つである。スタッフは分散させることの危険性を、事前に認識していたかどうか、疑問が残る。

 *北沼分岐の先(第2ビバーク地点)でビバーク組と本隊とに分かれるが、トムラウシ山に詳しく、まだ元気なガイドBが残り、その先の道は未経験で、しかも低体温症の症状が出ているガイドC(39)が本隊を率いて下山したのは、果たして適切な判断だったのだろうか。

 *本隊としてガイドCと参加者10人が下山を始めるが、この10人がとても無事に下山できるようなコンディションではなかったのではないか。歩き出して間もなく次々と落伍(らくご)者が出ていることは、それを物語っている。これに関しても、参加者の体調や精神状態に対する確認がなく、甘い判断のまま行動に移っている。

 ■ガイドの力量に問題はなかったか

 *危険予知能力をどれほど持ち合わせていたか、疑問が残る。特にスタッフの判断の迷いや遅れによって対応が後手後手に回り、パーティー全体をどんどんピンチに追い込んでいったと思われるふしがある。

 *低体温症に関する知識は、書物で読んだことがある、といったレベルであったと思うが、特に夏山でも低体温症が起こり得る可能性については、深刻には認識していなかったのではないか。

 *悪天候下で、ガイドが自分自身の体力をどれほどと認識していたか。また、スタッフと参加者の経験差、体力差をどれだけ認識していたかが、一つのポイントであろう。今回の参加者は50代の2人を除き、残り13人がすべて60代である。特に30代のガイド2人と参加者の差は大きく、参加者の疲労度を若い2人がどこまでシビアに認識していたか、疑問が残る。

 ■ツアー会社に問題はなかったか

 *アミューズ社は現場でのあらゆる判断、対応はすべてガイドに任せており、何かあれば会社が全面的に責任を負う考えという。今回のようなツアーは、旅行業務の一環とはいえ登山活動であり、登山としての安全性を重視した判断をガイド側から主張できるような体制にあっただろうか。

 *今回のツアー企画そのものの脆弱(ぜいじゃく)性(参加者のレベル把握不十分、エスケープルートなし、予備日なし、避難小屋で幕営の場合のリスク、ガイドの土地勘なし)などに対して会社は認識し、それを担当ガイドに伝えてなかったのではないか。

 *危急時の対応について、アミューズ社としては、とにかく「無理して突っ込むな」「そのパーティーで一番弱い人を基準に行動しろ」と指導しているというが、ガイドに徹底されているとは言えない。

 *ツアー登山に予備日はない、というのが業界の常識というが、そうはいっても、万が一の場合は停滞を余儀なくされ、当然ツアーを延長せざるを得ないケースがあるだろう。その場合、100%ガイド判断に任されているのかどうか。

 *避難小屋泊まりを前提としたようなツアー募集は、避難小屋の本来の使用目的から逸脱している。慣れていない人、あるいは高齢者にとって、悪天候下での幕営は大きな負担となり、翌日の行動に支障が出ることもあるだろう。

 *ツアー登山の定着とともに、「ツアー登山客」という層が生まれ、「ツアー登山ガイド」というカテゴリーができ上がりつつある。多くの人々が気軽に山を楽しめることは素晴らしいことではあるが、そこに潜むリスクに対して敏感でなければならない。

 ■参加者の力量と認識に問題はなかったか

 *参加者は、自分の体力レベルについてどの程度客観的に認識していたのか。一般の登山者、特にある程度組織的に訓練された登山者と比べて、自分はどの程度と分析していただろうか。

 *ツアー登山というシステム(会社やガイド)に対する依存度が高過ぎて、自立できていないのではないか。ツアー登山といえども、フィールドは一般の登山と同じである。登山とは、最終的に自己責任が基本となる、という認識を持っていたかどうか。

 *ガイドを信頼し、その指示に従って行動するのが基本のツアー登山といえども、参加者自身でも現在地の確認や時間管理、自身の体調把握など、登山パーティーの一員として、認識していることが求められるはずである。

 *一般にツアーの参加者は、単独では山に行けないのでツアーに参加する、という人が多く、パーティーとしての参加意識が薄く、時には参加者同士のつながりも避けたりする傾向があるようだ。今回、お互いに助け合う姿が一部に見られたが、寄せ集め集団といえども、一つのパーティーであるという強い認識を持ちたいものである。

 

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