山行記:川苔山(獅子口小屋跡) 2008年6月7日(土)
直前まで天気予報に振り回された。降水確率20%だと思っていたら、直前に50%になり15時には雨マークになっていたかと思えば、前日21時には降水確率30%。雨も覚悟で決行した。
今回のルートのクリティカルパスは川井発、清東橋(せいとうばし)着のバス。平日・土曜・日曜と時刻表が微妙に異なるのだが、いずれの場合も午前中に清東橋まで行くバスは1本しかない。その1つ手前のバス停上日向(かみひなた)までであれば3本あるが、上日向から清東橋まで歩くと30分ほどかかる。
ということで、1本しかないバスが清東橋に着くのが9:45。川井駅バス停からハイカーで一杯。ほぼ全員が終点清東橋で下車。
ほとんどの人は棒ノ折山に向かったらしく、大丹波川(おおたばがわ)沿いの林道を歩くのはぼくたちのみ。
林道が終わって山道になるところまで、山と高原地図でも、現地の地図でも40分となっているが、この距離が約2.6km。40分で歩くには、時速3.9km。100メートルを1.5分で歩くスピード。恐ろしく速いスピードではないが、とまって写真を撮ったり、風景を眺めたりしていたら出せないスピードだと思う。
クマ注意の看板があったので、部長はクマよけの鈴を付け、ぼくはラジオのスイッチをオン。
ひたすら沢を渡り返す。滝子山の沢もいいと思ったけれど、ここの沢はまた別の感じでよかった。
沢を渡る箇所には橋が架かっていて助かるのだが、この橋が非常に滑る。見た目にはこけむしているようには見えないのだが、ぬるぬるになっているらしく、気を抜くとつるっと行ってしまうのでかなり神経を使う。
絵が落ちているのを発見。なぜこんなところに?
絵を描いている人が!
川苔山の時からそうだったのだが、ピンぼけ写真がおおくなった。老眼が進んだせいか、液晶に映っている絵がよく見えないとうのも一要因なのだが、最大の理由はPLフィルターを付けっぱなしだったこと。お日様がかんかんに照っていればどうということないのだが、曇り、しかも木が鬱そうとしている。PLフィルターがついていると2段階ぐらい絞られるので、その分シャッタースピードが遅くなり、結果ピンぼけになってしまったようだ。
この橋なんかも乾いているように見えるが、実はつるんつるんで渡る際にかなり緊張する。
こんなところにわさび田をつくるなんて、わさびはよほど高く売れるのか? これがあるおかげで橋が整備されているのかな。
マジックで「跡」と書き込んである。
こちらはきちんと「跡」が彫り込んである。
で、獅子口小屋跡。
なにもない。石段があるだけ。
このコースは本当にマイナーのようで、ここまで川苔山方面から降りてきた2人とすれちがったのみ。
ここに達する前にすでに空腹でエネルギー切れ。ここでお昼。
おなかを満たしたら、ぼくは部長が目当てにしていた獅子口の探索に。踊平方面へ未知な木沢を登っていく。
これが獅子口か? どこが「獅子口」なのかよくわからないが、写真を撮ってベースキャンプに戻る。
今度は部長が探索に。これらしいというのが見つかり、荷物をまとめて一緒にそっちへ向かう。
これがそれに違いない、と部長。
口を開けた獅子舞のように見えるじゃない? ぼくには鯨のように見えるが…。
とりあえず、部長、ここで獅子口の水をペットボトルにくむ。
そして川苔山山頂へ向かう。
すると、
獅子の口かどうかはともかく、口から水が出ているように見える。
部長のショックは大きかったようだ。
さっき、くんだ水を捨てて、本物の獅子口の水をくむ。
このあたりが標高1000mなので、ここから山頂まで一気に200m強登ることになる。この登りが結構きつい。
こんな感じで、落雷で裂けたと思われる木が散見される。
避難小屋(跡?)から山頂まではひたすら登る。この坂がきつい。
こんな感じでがすっていて山頂からは何も見えない。虫がひどくて早々に退散。
そしてここだ。
「悪路、急斜面、通行注意」
当然そっちのルートを通る。
ルート作成の際、ポイントをあまり細かく取らなかったのでこの部分、たいしたアップダウンもないように見えていた(鋸尾根という名前なのにね)が、詳しく見ると
詳しく見ると結構なアップダウン。しかも岩。
これが今日のハイライトだった。久しぶりにステッキを使った。
大ダワを過ぎて、スリリングなところはもう終わったなと思った。
が、
足場がないように見えるが、一応あります。10cmぐらい。
大根ノ山ノ神
ここからは、部長がトレールランまがいの勢いで下山。ついていくのに必死。
そのおかげで6時前に鳩ノ巣駅に着く。アイスクリームを売っている店は閉まっていた。缶ビールが買えるところもなかった。着替えてそそくさと電車に乗り、帰路につく。
高度計のデータ収集
ポイント |
地図高度 |
Vista |
Protrek |
SysCom II |
温度 |
気圧 |
清東橋BS |
390 |
校正 |
校正 |
校正 |
25 |
968 |
奥茶屋 |
405 |
423 |
435 |
430 |
23 |
963 |
大丹波分岐 |
668 |
669 |
685 |
680 |
21 |
935 |
獅子口小屋跡 |
1015 |
982 |
1015 |
1000 |
17 |
899 |
横ヶ谷平 |
1229 |
1239 |
1260 |
1240 |
15 |
871 |
曲ヶ谷の峰 |
1328 |
1334 |
1355 |
1330 |
15 |
862 |
川苔山東の肩 |
1304 |
1375 |
1380 |
1350 |
15 |
860 |
鋸尾根 |
1145 |
1165 |
1165 |
1150 |
16 |
882 |
大ダワ |
981 |
1010 |
1025 |
1000 |
17 |
|
大ダワ分岐 |
749 |
790 |
795 |
780 |
17 |
924 |
今回はビスタの成績はそれほどひどくなかった(まだデータをPCにダウンロードしていないが、ダウンロードして断面を描いてみれば悪くない結果になっていると思われる)。でも、総じてField SyscomIIの成績が一番良さそうだ。
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コメント
川苔山 お疲れ様 今度はメインルート 川乗橋から是非行ってみて下さいね。
百尋の滝が見ものですよ。 ただ 百尋の滝からの先がおっかないけどね
事故が結構あります ただ下山時が殆どのようですが 獅子口の湧水 水どうでした??美味しいと思ったけど私は・・・
ところで参考までに 大根山ノ神から鳩ノ巣駅まで何分でしたか??
そういえば まだその鋸尾根は歩いてないんだよね そのうち歩かないと その近辺では 残されているのはそこだけなので とっとと埋めておかないと
投稿: いっき | 2008年6月 9日 (月) 21時49分
川苔山は奥多摩のエリアになるんですか?
沢も水がたくさん流れていて、谷も深そうですね
関東周辺の山はどこに行っても富士山が大きく見えるんでしょうね
私の住んでいるところではまず見ることができません
長野の山に行って稜線にあがるとやっぱりまっさきに富士山を探します
身近に富士山が見える山があるのがうらやましい・・・
投稿: YAMACHAN | 2008年6月 9日 (月) 22時24分
いっきさん
大根ノ山ノ神では、たまたま同じタイミングで下山されたご夫婦(?)の方と話し込んで、時間を記録し損ねたのですが、ガイドブックによれば、大根ノ山ノ神から鳩ノ巣まで30分です。
鋸尾根は、大ダワから登るのは大丈夫だと思うのですが、逆コースは慎重に行かれたほうがいいかと思います(って、釈迦に説法ですね、たぶん)。
獅子口の水は・・・ぼくには渋いだけのように思えました。水道水慣れしすぎているせいかもしれません
投稿: 雪山でミルクティ | 2008年6月10日 (火) 00時47分
YAMACHANさん
川苔山は奥多摩を代表する山ですよ(って、知ったかぶりをしますが、ガイドブックの受け売りです
)。
山頂に立ったときの楽しみの一つって山座同定(これもガイドブックで覚えた言葉です
)ですよね。初心者のぼくにはどの山がどれだかさっぱりわからないのですが、富士山だけはわかるので、やっぱり富士山を見るとありがたく思ってしまいます。
投稿: 雪山でミルクティ | 2008年6月10日 (火) 00時54分
奥多摩なんだろう・・と。県をまたがったり、どこから
どこまでがって、意外と難しいですよね。
山梨県の山々から見る富士山はすごいです。特に冬。地元
の方も、富士は登るのもいいけど、遠くから見るのが良い
んだよとおっしゃってました。
そうかぁ・・富士山、見えて当たり前と思ってたけど、
恵まれてたんだなぁ。気付きませんでした。
いっきさん、奥多摩知り尽くしてらっしゃるんですね。川苔
は印象深い山行になりました。メインルートも近々行きたいと
思いますが・・殆ど人に出会わないマイナールートも混みあう
時期は良いかもしれません。
獅子口の湧水はおいしかったですよ。ペットボトルに汲んで
持ち帰ったものよりフレッシュな方が当然おいしい。飲み比べ
してもわからないかもしれませんが、そこに行かなければ飲め
ない水・・と思うと格別です。
なんせ今回はこれが一番の目的でしたから。
投稿: Yukiichigo | 2008年6月10日 (火) 21時27分
雪山でミルクティさんでよろしいのかな・・・(・Ω・)ノ コンニチワー
自分のブログの記事にトラックバックが貼られてるの・・・今気がつきました。
大変遅くなってしまいましたが、公開させていただきました。f(^^;) ポリポリ
去年から山歩きに目覚めたそうですが、自分たちも一緒でぇ~す・・・ってか。
ここのところ、お山もブログも停滞しておりますが o( _ _ )o ショボーン
奥多摩の山を中心に歩いておりますので、それらしき夫婦を見かけたら声は掛けても、
石はぶつけないで下さいね (=^_^=) ヘヘヘ
投稿: | 2008年6月26日 (木) 12時25分
先程、コメントしたけど名無しになってしまった (*_*)ゝイタタ
そんな私は、じたろうと申します。★⌒(@^-゜@)v ヨロシクデス
投稿: じたろう | 2008年6月26日 (木) 12時31分
じたろうさん
。
初めまして
コメントありがとうございます。
GPSやら温度計、高度計、やたらお道具を持っている男がいたらぼくかもしれません
自分でトラックバックを貼っておきながら、なんですが、どちらのブログだったか記憶が定かではない(すみません)、ので、リンクでも張っていただけるとうれしいです。
投稿: 雪山でミルクティ | 2008年6月26日 (木) 23時21分
はじめまして。
こちらの記事をプリントアウトしたものを手に、
つい先日の3連休に歩いてきました。
大丹波川沿いの道は遊びながら歩いていたら
だいぶ時間をロスしてしまいましたが、
とても楽しいルートですね。
ところで、その廃墟と化しつつある非難小屋、
川苔山のふもとにある小屋ですか?
私が見たのはもうちょっとマシだったと思うのですが。
ともかく、マイナーにしておくにはもったいないというか、
あまり人には知られてほしくないというか、
そんなお気に入りのルートの一つになりました。
また山歩きの参考に、覗きに来させていただきますので
よろしくお願いします。
投稿: tori-bird | 2009年1月16日 (金) 17時23分
tori-birdさん
ブログ拝見しました。
雪景色いいですねぇ。うらやましいです。
ぼくの山行記をお役に立てていただいたようで、有り難いことです。
しょーもないことを書いてあることもありますが、山行記や山行計画、ツールなどは多少お役に立てていただけるかもしれません。
避難小屋ですが、川苔山山頂から東に200メートルほどのところに十字路があり、そこにある小屋です。この十字路を南に下るとコブタカ山、本仁田山、鳩ノ巣駅へとつながります。
ぼくも時折外国のツールをチェックしたりするので、それについてももう少し書いていこうと思います。
ご訪問ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
投稿: 雪山でミルクティ | 2009年1月17日 (土) 06時12分